「メリーランド教育研究所30周年、生活教育こどもと幼児園3周年に寄せて」大野啓子

■メリーランド教育研究所30周年に寄せて

大野啓子



 2月にメリーランド教育研究所の創立30周年記念パーティーを開催いたしました。全ての教室が生の「サクラサク」で彩られる中、「肉山」をはじめとする名だたる9店舗が出店してくださいました。そしてありがたいことに、500名近い方々にお集まりいただきました。

なつかしいたくさんの方々にお会いしたい、
あたたかいお料理でおもてなししたい、
こどもたちの未来の「サクラサク」を見つめるこの教室で。

 この私の意に応えてくれたのが、将平先生とメリーランドスタッフ。「小さなお祭のイメージ」でプロデュースしてくださった光山さんと、その仲間たちでした。手品とゲームの演出も加わって、私の理想通り手作りのパーティーの始まりとなりました。

 申し込みを締め切っても、断り切れない申し込みが続々と・・・。正直なところ、無事に運営できるかどうかの不安も消しきれませんでした。しかし、お好みのドリンクを手に満足そうにお料理に舌鼓をうつ方々、配布されたスタンプカードを胸に全お料理制覇にかけまわる子どもたち。その笑顔に不安は払拭されました。

 受け持ちの在所生の方々のお名前は記憶しています。なつかしい卒所生の方々のことを思い出せるかどうか、それも大きな不安材料でした。でも、すぐに杞憂にすぎないことが証明されました。

私が見上げるすてきな女性が28歳のMちゃんで、感性豊かで模写の上手な女の子だったこと。
Yくんは授業中、できないとすぐに泣く男の子だったけど、S初等部に入学し中学は超難関校に進んだこと。
G小に行ったシャイなKくんが算数オリンピックに優勝したこと。
そしてパーティーの間、気がつくとそばにいてくれる小二年生さんが、いつも怒っていた男の子だったこと。

 お会いすると、みなさんが在所された頃にタイムスリップし、映像のようにありありとよみがえるのです。

 もっともっとお話ししたかったのに、ごった返していた会場の中、触れ合う時間が少なくて申し訳ありませんでした。たくさんのお祝いの品をいただきながら、お礼も申し上げられず、失礼いたしました。中にはもうりっぱな社会人になっている方から贈られたお品もありました。本当にありがとうございました。

 集まってくださったみなさま、教室のスタッフとゲストスタッフさんたちに深く感謝いたします。おかげさまで、素晴らしいパティーとなりました。
私は64歳。あと10年はがんばるなんて、つい口が滑ってしまいました。もし実現できるとすれば、みなさんの応援あってこそです。今後ともよろしくお願いいたします。
私共もみなさんの明日からの日々がより輝くよう、エールを送り続けます。2月の桜を思い出しながら・・・。

■生活教育こどもと幼児園3周年に寄せて

 さて、生活教育こどもと幼児園は3月に初めての卒園式を行い、4月1日の入園式で3周年を迎えます。
 メリーランド教育研究所同様、子どもの個性を見究め、その将来を見つめる教育をモットーに、きめ細かい生活教育を実践してまいりました。その成果を、卒園する「あお組」さんが遺憾なく発揮してくださいました。それは、思わず胸が熱くなるほどでした。

恐竜博士のNくんが、
運動抜群のKくんが、
瞬発力のTくんが、
ユーモアあふれるKくんが、
負けず嫌いのYちゃんが、
コツコツがんばるSちゃんが、
感性豊かなNちゃんが、
いつもニコニコEちゃんが、
みんなのお姉さんMちゃんが、

 神妙な顔をして卒園証書を受け取り、心からの言葉を紡ぎ、素晴らしいハーモニーで歌う。彼らの胸に去来したものは、

高尾山に登った遠足だったでしょうか。
お泊り保育で、みんなで作ったカレーライスの味だったでしょうか。
みんなで銭湯に入ったことや、屋上の花火だったでしょうか。
園内の授業で私に叱られたことだったでしょうか。
運動会でのパラバルーン大成功の思い出だったでしょうか。
音楽会での演劇を前に、舞台裏で息を潜める興奮の瞬間だったでしょうか。
毎日の通園の風景だったでしょうか。

 卒園しても、3月末まで通園してくれたみなさん。こどもと幼児園が、心のふるさと、いつでも立ち寄れる場であることを信じています。

 4月1日、東京の桜が満開になるであろう日。
 こどもと幼児園は3周年を迎え、4回目の入園式が行われます。

大野啓子

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