【大野将平ブログ】【メディア掲載情報】ベビー用品完全ガイド

100%ムックシリーズ MONOQLO特別編集
[完全ガイドシリーズ021]
ベビー用品完全ガイド
晋遊社

遊びの不完全性

「知育玩具ベストバイ」というコーナーにて、
知育玩具についてのコメントと写真が掲載されました。

今回の記事にコメントを書くにあたり、いくつかの知育玩具に触れてみました。
木の温かみを活かしたおもちゃ、赤外線通信のおもちゃなど、
良いもの、面白いものもあるな!と感心させられました。

しかし、こちらに掲載されている玩具を含め、
「完成され過ぎている」遊び道具が非常に多いと感じました。
決められた操作方法で、決められた反応が返ってくる。
一方的に映像や音声を流し続ける。
作り手のシナリオが過多で、子どもが自ら遊びを展開させる余地が無いのです。

子どもの遊び道具には「不完全性」が大事、と、私は考えます。

坂でサッカー

切り拓かれた丘にある新興住宅地に生まれた友人は、
近所の子どもたちと路上で遊びながら育ちました。
坂が多い、年齢も性別もごちゃ混ぜ、という「不完全」な条件の中でするサッカーは、
・ゴールは坂の上だけにしよう
・女の子がゴールしたら2点にしよう
・上級生の男子は左足だけにしよう
・2チーム間で大差がついたら、上級生と下級生を入れ替える
と、新たなルールを設定しながら、工夫して楽しく遊べるようにしていたそうです。

道具が無くても、人さえいれば、遊びは幾らでもあった。
と当時を振り返ります。

小学校受験の行動観察

小学校受験の「行動観察」で主に問われているのは、
遊びや制作の中で「工夫ができるか」「人と関われるか」ということ。
完成されたおもちゃを与え、屋内で一人遊びばかりさせていると、これは難しい課題となります。

この課題を乗り越えるカギの一つが「欲求」です。
能動的に関わりを持つというのは、欲求を原動力にしているところがあります。
思いを伝えたい、一緒に遊びたい、認められたい、勝負に勝ちたい、など。
成し遂げたいために、行動し、失敗し、学ぶのです。

本誌に掲載されているおもちゃの中にも良質なものは沢山あります。
しかし、どのようなおもちゃを与えるにしても、与えっ放しは禁物です。
良い刺激、良い欲求の喚起に繋げるためにも、参考にしていただければ幸いです。

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